漢方薬舗幸貴堂では、夜尿症、おねしょでお悩みの方からのご相談をお受けしております。子供も大人も悩んでいる人が多いこの症状。夜尿症の改善方法をお探しの方、これまでの治療で望む効果が得られなかった方のさまざまなお悩みにお応えいたします。
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夜尿症(おねしょ)はいつまで続くの?
夜尿症(おねしょ)は、寝ている間の無意識のうちに尿が漏れ出てしまうことを指します。
膀胱などの排尿機能が十分に成長しきっていない子どものうちは病気とは判断しませんが、6~7歳(小学校に上がるまで)を目安として「夜尿症」と呼ばれるようになります。
通常は成長とともに自然に消失することも多い夜尿症ですが、お子さまによっては長く続いたり、ストレスの影響などで大人になってから症状が出る方もいます。統計上では高校生(16歳~)の時点でおよそ5%(20人に1人)大人の方でも1%(100人に1人)程度の方は夜尿症に悩んでいると言われます。
夜尿症(おねしょ)が起こる仕組み
夜尿症が起こる仕組みは、タイプによって違います。以下の2つが主なタイプです。
夜尿症の症状タイプ
①膀胱が小さかったり、うまく尿を貯められないために漏れ出るタイプ(膀胱型)
②尿を上手く凝縮できず、大量の尿が作られて漏れ出るタイプ(多尿型)
また、これらの傾向を同時に持っている混合型タイプもあります。
要するに、「膀胱に貯められる量」と「作られる尿の量」のバランスが取れない時に夜尿症が起こると言えます。
PICK!なぜ夜間だけ尿量のバランスが取れなくなるのか?
日中は意識が覚醒しているので、ある程度は意思の力で筋肉を締めて尿を我慢することが可能です。ですが、夜間など睡眠中は意識がありません。そのため、睡眠中の人間の身体では「自律神経」の働きによって以下の様なことが起きています。
睡眠中の泌尿器の働き
・膀胱の筋肉を緩めてたくさんの尿を貯められるようにする
・尿を凝縮する「抗利尿ホルモン」を分泌して尿の量を減らす
・膀胱がいっぱいになったら、尿意を脳に伝えて覚醒を促す 等
これは全て睡眠中の無意識で行われるため、自律神経がこれらの動きを自動でコントロールしています。まだ自律神経が成長しきっていない幼いうちや、ストレスや睡眠障害で自律神経の働きが低下したときはこれらの動きが行われず、夜尿症の症状が出やすくなるというわけです。
夜尿症に移行しやすい人の主な特徴
冷え性
寒がりだったり手足が冷たい人は、血流も悪いことが多いです。すると膀胱などの体内臓器の動き(収縮・拡張)が上手くいかなくなります。
ストレスが多い、神経質
日常の中でストレスを感じることが多かったり、神経質なところのある人は、神経が昂って眠りの質が落ちやすく睡眠中の自律神経の働きも低下します。
疲れやすい、日常生活が忙しい
疲労が大きいと眠りが過剰に深くなりやすい上に、膀胱ではなく尿道の筋肉が緩んでしまい、尿が漏れ出しやすくなります。
夜尿症のお薬
一般的な治療薬
「多尿型」「膀胱型」のタイプ別、またストレスの度合いなどを見て処方されます。
ホルモン補充薬
抗利尿ホルモン(バソプレシン)を補い、尿の凝縮を促すことで尿量を減らしていきます。
例:デスモプレシンスプレー、ミニリンメルト 等
抗コリン薬
膀胱の筋肉の緊張を緩めて頻尿の改善を促します。
例:バップフォー、ポラキス 等
抗うつ薬
落ち込んだ気分や不安感を緩和して自律神経の働きを高めます。
例:トフラニール 等
夜尿症(おねしょ)への漢方薬の例
一般的に小建中湯(しょうけんちゅうとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、葛根湯(かっこんとう)などが出されることが多いです。
漢方薬は、人それぞれの体質、体調などによって適する薬が違ってきます。「夜尿症だからこの薬」と決められているわけではなく、個人個人の症状のタイプや体格、生活の状態に合わせ、提案されるものです。
また、漢方薬はただ症状を抑えるだけという考えでなく、体全体を整えて夜尿症を起こすメカニズムそのものを改善していくという面があります。
冷え性であれば冷え性の改善、疲れやすいようであれば体力の増強などを考えていくことで、「夜尿症が起こりにくい体=心身ともに元気な体」を作っていくことができます。
お薬がどうしても飲めない時は、鍼や整体などの体の外からのアプローチ(外治的療法)もあります。
要は体の流れを整えて、自然な神経の働きを取り戻していくことが大切です。
※効能・効果には個人差があり、確実な効果を保証するものではございません。
※幸貴堂では、効果・病状などの経過を伺いながら漢方の変更等も柔軟に検討・対応させていただきます。
夜尿症を治すための生活改善法
人間の体を作っていくのは、やはり日々の生活です。
主として下記のようなことにも日ごろから気を付けることで、より効率よく体質改善に結びついていきます。
生活リズムの一定化
体内の臓器を動かす自律神経は、規則的な生活を送ることで最大限に働くようになります。毎日おおよそ同じ時間に食事・睡眠を取るようにして睡眠の質を向上し、ホルモンの分泌バランスを整え、抗利尿ホルモン・成長ホルモンが充分に分泌されるよう促していきます。
栄養バランスの見直し
塩分やタンパク質を過剰に摂りすぎてしまうと、体内でその濃度を薄めようとする力が働くために体内の水分が消費され、過剰なのどの渇き・尿量の増加につながります。間食をできるだけ控え、食事の内容を意識しましょう。
冷えの対策
冷えによって血行が悪化することで、夜尿につながりやすくます。しっかりと湯船に浸かって入浴する・布団を事前に温める・腹巻を着ける等、冷え対策を行います。
ストレスや疲労状態の把握
自分の体の状態というものは、わかっているようで把握できていないことがたくさんあります。お子さまの夜尿症の場合は、親御さんがしっかりと対話を行って様子を把握しておき、大人の場合は必要に応じてカウンセリング等を受けることで“自分の心身の状態”を知り、自らに合わせた対策をつかんでおくことです。
まとめ
子供も大人も、夜尿症が起こる原因は同じです。ちょっとした体の乱れや力の不足が起きれば、誰にでも起こり得ます。きちんと症状が起きる原因を抑え、体を整えるように生活・服薬を変えていけば、体もどんどん変わっていきます。『あせらない・怒らない・起こさない』を基本に、あまり追い詰めすぎずに見守っていくことが大事です。
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代表
岡田 貴之(おかだ たかゆき)
TAKAYUKI OKADA
資格:薬種商(現 医薬品登録販売者)
漢方歴:22年
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